ラドソン滋賀ジュニアユース | ladcao shiga

ラドソン滋賀は、滋賀県甲賀市を拠点に活動している中学生年代のサッカーチームです。

 
 

クラブユース新人戦 決勝トーナメント1回戦

12月2日

クラブユース新人戦決勝トーナメント1回戦

【会場】水口スポ森・人工芝

【結果】 vs エフォート 1-0

 

前半は落ち着かない状態で多くのピンチがあったが、不細工なりに何とか失点せずに乗り越えたという感じだった。中盤の距離感と攻撃の始まりの「ほぐし」を修正確認して後半。

少しづつ良い形も出てきて「大きく流れを変える」まではいけなかったが、少しだけ流れを引き寄せた感じで先制した。得点後も何度か良い形で攻撃したが追加点は奪えなかった。課題という「お土産」がたっぷりあったが…土日連戦。

試合後は「たくさん食べてゆっくり寝なさい」とだけ伝えた。

 

先週の予選リーグ最終戦で少し良くない試合をして崩れたので、まずは気持ちを切り替えて準備をする1週間だった。この足踏みも一つの経験だが、繰り返していてはいけないなと思う。前向きに取り組みたいことが溢れかえるほどあるのだから。

当日もスタートのメンバーとポジションを悩んでいたので、集合した選手を集めて問うてみた。「自分たちが一番思い切って試合に入れるスタメンとフォーメーションを言ってくれ」と。それでも少人数なのでレパートリーは限りなく少ないのだけど。

 

公式戦には多くの選手を出場させたいが、何より選手には試合に出場する時間(もしくは常に出場することがリアルに感じられる準備)が大切という考えなのでこの日も新人戦には15名だけ参加し、それ以外の選手は他会場で練習試合。悔しいという思いも成長に大切な要素だけど…誰かとの比較ではなく実際の自分に向き合える濃い時間は全ての練習や試合の中ある。

 

年明けからはトップリーグと2部リーグでのチャレンジになるので選手全員まずは目の前の試合で自分自身と向き合ってハードルを乗り越えていく事が大切。

この日、他会場での練習試合に帯同したコーチから「良い試合が出来ているし、ポジションも複数チャレンジして適性を伸ばしている選手がいた。全体にフィジカル的にはまだまだ厳しいかもしれないけどリーグ戦でも面白い試合や良い挑戦は出来る」と聞いて凄く嬉しかった。

 

練習>紅白戦>練習試合・公式戦のサブ戦・公式戦>練習に戻る、という分かりやすい螺旋の中で、何を練習に持ち帰ってきたか?はこの世代では一番大切。

だから公式戦だろうが何だろうが良いチャレンジをして、更に身の丈に合った「成功」だけで落ち着かずに「失敗」するまで踏み込んでいかなければ週明けの自分に「お土産」が少なくなる。

この後味の悪い「お土産」を一晩寝ただけで忘れたり、目を逸らしたり、捨ててしまったりするのか、向き合ってバクバク食べて栄養に変えるのか…ここは本当に自分次第。

出来ればいろんな「悔しい」「情けない」を週明けの練習に笑って持ち込んでくる面白い選手達の集合が理想だし、きっとそれが楽しいクラブだと思う。

 

一人一人の「やりがい」を越えるほどの栄養は選手にはないと思うし、やりがいを持って挑戦する選手をサポートする以上の栄養は指導者には無い。

そういう意味で成長するというプライドが「勝ちたい」「もっと厳しい試合に挑みたい」という気持ちに進化すればいいのであって、実際のチームの「勝ち負け」なんて屁でもない。この「勝ちたい」の根っこの違いはきっと大きい。

だからこそ自分は矛盾しているようだが試合に行けば「勝とう!」とはっきり言える。全員が全力を出して負けるほどの厳しい試合を経験してもらうために。

でも選手はもっと個人的でいい。「えげつないFWと勝負をして完璧に抑えきる」「あの鉄壁の守備から得点する」「中盤での支配力では上回ってやる」「ヘディングは全勝」「ルーズボールの回収は敵味方合わせても断トツ」「ドリブルで数的不利を何度でも打開してやる」…と何でもいいんだ。その場面を増やすことや場数を踏めるように全体像を創り出したり、時には意地悪なコントロールだって何だってやるのは指導者の大切な役割だ。この塩梅が下手で勝てそうな試合で負けさせてしまう事が多々あるポンコツの監督で申し訳ないのだけど。

 

選手は自分自身の純粋な戦いに準備し挑む気持ちがあればいい。「自分だけ勝ったらええんか?」と聞かれるなら「その通り。そこから始めたらいい」と答える。そこをぼかさなければどんどん工夫をしてきっと仲間に対してまだまだ進化出来る事があるという事に気付く。なぜかこのことになかなか気付かないのもこの年代の選手の特長でで歯痒い事も多いけど…まぁ意固地になっていても自分の戦いに執着しているならアウトではないと思っている。この順番を間違って最初から「チームのために」なんて荷が重いし、ハッキリ言ってつまらない。自分の成長という矢印を度外視した薄っぺらなチームワークは劣勢では半笑いの言い訳の泉になってしまう。

最初からチームに矢印を向けている人ほどなぜか練習での自分磨きが甘い事が多い。

 

だからまず練習では個であり孤であることから。

試合では劣勢の中や厳しい時こそ本当の仲間が見えてくる。

 

その時に自分が誰と一緒に試合がしたいとかではなく、そんな時こそ君がその仲間に勇気を与えられるように。