第9期生を送り出した。
全学年ごちゃまぜで賑やかに試合をした。
感傷的な節目が嫌いで毎年サラッと送り出している。
新旧キャプテンの挨拶があり、卒団するキャプテンが「僕たちは本当に弱く…」
と話してくれた。
3年間、チームとしては本当に勝てなかった。
それでも最後の大会、高円宮杯滋賀県大会ではベスト8まで進んだ。
大きな成長を感じていた大会だった。
1試合でも多く経験させたかっただけにあの時は本当に悔しかった。
よく頑張った、とは言ってあげられなかった。
卒団記念に彼らからいただいた寄せ書きには「3年間、厳しく育てていただき…」というものが多かった。
実は俺は「随分と甘やかしてしまったなぁ」と思っているよ(笑)
「褒めて伸ばす」
そういう器を自分は持ち合わせていない。
ピッチ内外で仲間を大切にできない未熟さを感じた時、厳しく叱った。
自分の殻を破る勇気を持てない時も慰めずに突き放した。
そう思うと確かに厳しいオッサンのもとで頑張ったね。
分かっていても出来なかった事や、少し甘くなってしまう事、ごまかしたかった事…
中学年代なら星の数ほどあるし、自分の中学時代なんて振り返るとひどいものだ。
そんな自分は棚に上げて空気は読まず、もう一歩詰めよって「自分と向き合おう」と言ってきた。
チームとしてなりふり構わず勝ち、常にポジティブに成長を促す事が出来れば、もう少し明るい気分で試合会場から帰らせてあげられる日を増やせたかもしれない。
そうしようとした試合も正直、あった…それを申し訳なく思っている。
一体自分は何に間に合わそうとしているのか?と思い何度も情けなくなった。
選手とチームが同じテンポで歩めている時には有効だが、テンポもペースもずれているならクラブにとってどこか都合の良い考え方なだけ…だから、やめた。
急いではいけない。
選手がいろんな準備で足踏みしている時、大人が急かしてはいけない。
最も大切な「自立」という面で大きな遠回りになる。
それを何度も悩んだ1年間だった。
背中は押すが急かさない…今もこの塩梅がなかなか掴めないでいる。
チームの事はもういい、とよく話した。
チームや勝ち負けや団結、といったある意味での心地よい近道を遮断した。
その前に自分を磨く必要が選手にも指導者にも全員にあった。
練習ではベースの技術と体術を磨く事にほぼ全てを費やした。
試合でその成長を爆発的に表現する段階までは、自分の指導が届かなかった。
高校年代で良い仲間、良い指導者に出会い、その感覚に届いてほしい。
君達は高校年代で結構やれると思っている。
試合の中で自分の殻を破り続ける勇気があれば…間違いなく自分が思っている以上に伸びる。
2023卒団生12人。男子11名・女子1名。
一人一人が自分と向き合った結果、県内外の10の高校へと進む。
勇気ある一歩だと思う。
彼らのこれからを楽しみにしている。
君達の成長がクラブにとっても大きな意味を持つ。
Push the Envelope !
3年間ありがとう。
最後に。卒団生保護者の皆様。3年間ありがとうございました。
そして素敵な記念品をありがとうございます。
彼らがいつでも顔を出せるクラブでありたいと思っています。
これからも応援よろしくお願いします。